ひぐらしのなく頃に-推理してみる-

ネタバレも含むと思われるので、まだ未プレイの方は見ない方がいいかもデス。
とりあえず「解」も発売されてますし、いいよね?よね?
とか言いつつ、まだ解を未プレイな自分。
自分の推理力の無さを露呈する結果になるやも知れませんが、果たして?
 
 

鬼隠し編

何と言う事は無い日常。
しかし、徐々に崩れ去っている日常。
思えばそれが始まったのは、富竹から「右腕がまだ〜」という話を聞いてからだったように思う。
そこで圭一が妙な好奇心を抱いてしまったのが、そもそもの間違いなのだろうか。
“オヤシロサマの祟り”
一人が死に、一人が消える。
これまでの事件自体は、確かにこの法則に則っていた。
だが、結果から言えば今年は違う。
富竹が死に、鷹野が消えた。
それで祟りは終わった筈だ・・・普通ならば。
だが、圭一は死んだ。
富竹と同じように、自らの喉を掻き毟って死んだ。
何故死んだのか。
まず、手法としての可能性はいくつかある。
 

レナから逃げ出した後、男二人組に既に薬物を投与されていた。
気付いたら自室の布団の中、という展開から察するに、この時点で何かしらの薬物投与が行われた可能性は高い。だが、その後自室に戻すという行動の意味が判らなくなってしまう。
レナと魅音に捕まった場面で、実は暴れた時に薬を打たれていた。
記憶が曖昧であることが、この可能性を高める要因ともなっている。だが、この注射自体に殺傷能力があるかどうかは言明されておらず、レナと魅音が圭一を本当に殺そうとしていたのかには疑問が残る。
圭一が既に心身喪失状態にあり、一種のパニック症状を起した。
富竹の死に様を知り、尚且つ自らが何者かに追われているという幻覚症状も加わり、「きっと自分は富竹と同じ死に様を向かえるのではないか」という強迫観念から富竹と同じ死に様を晒した可能性というのは、決してゼロではないと思う。
オヤシロサマの祟り
あまり考えたくはないが、大石に電話をかけた時に「ずっと後ろをついてくる」というような事を圭一は口にしている。圭一がそれまでに何もされていないかと言われればハッキリと答えることは出来ないが、常識的には説明不可能な事態を説明するにはこれしかないようにも思える。

 
他の話を進めると判ってくる事だが、レナはオヤシロサマや悟史の話になると豹変する。
この時も、圭一が悟史と同じ行動を取った結果、豹変したと考えることはできる。
また、この時点では既に圭一とオヤシロサマの祟りは切っても切れない程に繋がりができてしまっていたため、レナが豹変しやすかったのも頷ける。
 
魅音に関しては暇潰し編で説明されるが、祖母のお魎と同じ“鷹の目”を持つとされている。
見ただけで相手の心臓を凍らせることの出来る器。
圭一に投薬しようとしていた時、圭一の感覚が正しければ魅音はまさに園崎の頭領であったと言える。
また、園崎の情報収集能力の高さも、同じく暇潰し編で言及されている。
劇中、レナや魅音が圭一の行動や思考を尽く当てていくが、これは雛見沢という土地特有の人的ネットワークのなせる業と言えるだろう。
何処までも疑問に残るのは、魅音が本当に圭一を殺そうとしていたのか、という点だが・・・
白ワゴンや監督についてきた男達は一見、魅音─園崎の手の者だと思えるが、魅音が単独で投薬に臨んだ事を考えると、あの投薬は魅音の独断であった可能性も否めない。
 
圭一本人については、精神状態が正常でなかったことは大いに考えられる。
混乱と後悔と焦燥の果てに、精神に異常を来したであろう可能性は十分にあるのだ。
だがもし彼が正常であったとしたら、彼の最期は薬物によるものか、オヤシロサマの祟り、ということになってしまう。
だが、ここで一つ忘れてはならないことがある。
電話の際、場面は大石に移っている。
彼が─圭一が、本当に自分の喉を自ら掻き破ったという描写は、一切存在しないのだ。
勿論、本当に掻き毟り、その果てに死んでしまった可能性は大いにある。
むしろ、普通に考えたらそれしかないだろう。
しかし、全ての可能性を考えるとなると、この描写は見過ごすわけにはいかない。
詰まるところ、圭一の最期ですらも、人為的な殺人である可能性は、僅かだが存在するのだ。
 
オヤシロサマの祟りだが、過去に起きた事件をもう一度紐解いてみよう。
第一の事件は、殺害されたのがダム工事の現場監督で、失踪したのはその殺害者の一人。
第二の事件は、死亡したのは沙都子の父親で、行方不明になったのは沙都子の母親。
第三の事件は、死亡したのが梨花の父、失踪したのが母。
第四の事件は、沙都子の叔母が死亡し、その息子である悟史が失踪している。
今年の第五の事件で共通しているのは、富竹が死亡する・・・というこの一点だけ。
鬼隠し編では、鷹野は死体が見つかっていない。
つまり、失踪扱いである。
ただ、プレイヤーの見えない所で後々のように発見されている可能性は否めない。
少し話がずれたが、祟殺し編で圭一が「叔母を殺したのは悟史」だと言及していることに注目したい。
勿論、証拠などないし、圭一の読みは尽く外れる場合が多いので信憑性もない。
これはあくまでも一つの可能性としてだが・・・

  1. 綿流しの日に殺人が起こる。
  2. その殺人の実行犯が失踪する
  3. 結果として“祟り”と“鬼隠し”の両方が成立する。

という推測が立たない事もない。
「おいおい、叔母殺しは犯人が自供してるだろ」?
ヤク中の言う事など、何処まで宛になるか判らない。
無論、この推理が大外れしている可能性は非常に大きい。
何故なら、沙都子の両親に関しては、それがどうにも当てはまりそうにないからだ。
梨花の両親の場合、父の不甲斐無さと娘の気味悪さに、母が祟りを理由に失踪する可能性も無くはない。
祟殺し編で鷹野が富竹の自転車を車に積んでいたが故の推測だが、今ひとつ押しが足りない感は否めないだろう。
・・・しかし少し視点を変えてみると、面白い事実が浮かび上がってくる。
第一の事件では、とりわけ魅音を敵視していた現場監督が死んでいる。
第二の事件では、沙都子と折り合いのつかなかった父が死んでいる。
第三の事件では、梨花を理解できなかった母が失踪している。
第四の事件でも、沙都子を虐めていた叔母が死んでいる。
なるほど、大石の言うように、全てが魅音たちのグループに集約するわけだ。
ならば、レナはどうだろうか?
レナ自身は(作中で詳細な描写こそないが)「オヤシロサマの祟りを受けたことがある」と魅音が洩らしている。
これを正直に受け取るとするならば、オヤシロサマの祟りというものは必ずしも死亡・失踪するものではないのだろうか。
いや、それは違うだろう。
何故なら、鬼隠し編に於いて「次こそ自分の番だ」と言っているからだ。
これは綿流し編の詩音(に扮した魅音?)や、祟殺し編の沙都子の言葉「オヤシロサマの祟りは、すぐにその人を殺さずに、周りの人から殺していく」に相当すると考えていいだろう。
・・・そうなると、レナはオヤシロサマに対して、何らかの罰当たりな行動を取った、ということになる。
富竹と鷹野が祭具殿を覗いたように。
沙都子が祭具殿の御神体を壊したように。
それが何であるのかは言及されていない。
 
ここで一つ、面白い事実がある。
大石が「オヤシロサマの使い」と言われている、という事だ。
大石は魅音─園崎を狙っている。
それは今更書くまでもなく、明白だろう。
だが、大石が接触した人物が尽く鬼隠しに遭う・・・これは決して偶然ではないのだろう。
もしかすると、大石が訪問して余計なことを吹き込む、だから殺す。
・・・そんな恐ろしい図式だって、描けてしまうかも知れないのだ。
少なくとも、圭一が襲われる動機としては十分だろう。
そして大石の行動すらも、暗に操られているとしたら・・・ 
暇潰し編梨花が言って見せた、未来図。
それは予言でもなんでもなく、本当にただの決定事項であったとするならば。
過去の四つの事件は、全て園崎が行った事・・・そう考えざるを得ない。
そうなるように、園崎が大石を巧みに操った、と言えなくもないわけだ。
そして五年目の事件は、梨花ともう一人(今年大石に詰問されるであろう哀れな犠牲者)が死亡・失踪して終わりの筈だった。
しかし、実際には富竹が死んでいる。
鷹野も死んでいる。
一年に二人の筈の犠牲者は、五年目になって矢鱈と増えているのだ。
これは何故か。
・・・五年目に死んだ二人は、実は予定外だったのではないか。
祭具殿を覗く、という罰当たりな行為には、当然神罰がくだらなければならない。
綿流し編を読めばよく判るが、この行為自体はしっかりと監視されていた。
放っておけば“祟り”は意味を成さず、罰当たり者が増える可能性だってある。
だから、殺した。
予定外だからこそ、殺さなければならなかったのではないか。
更に言うなら、富竹や鷹野が圭一に「オヤシロサマの祟り」を説いたのも問題だったのかも知れない。
これで圭一殺害の動機が、また一つ増えた。
 
ここでまた一つ疑問が浮かぶ。
暇潰し編に於いて、梨花が言及した「最後の殺人はそれ以前とは無関係」といった意味の言葉だ。
詰まるところ、五年目の事件とそれ以前の事件は分けて考えろ、ということらしい。
この“分割して”という部分は、後の綿流し編に重要に関わってくる部分だと思われるので、ここでは書かない。
 
 
長々と駄文を書いてきたが、どれも決め手にかけるものではある。
そこで、自分なりに纏めてみた。
 

  1. 五年目の犠牲者である富竹・鷹野は予定外の殺人(富竹に至っては、鷹野の犯行である可能性が高い)?
  2. 圭一の行動が逐一判るのは、雛見沢特有の人的ネットワークによるもの?
  3. レナの豹変はオヤシロサマ・悟史に関連する事態のみ。悪意はなし?
  4. 魅音の豹変は園崎家頭首の顔“鷹の目”であり、思考が園崎に偏っている状況?
  5. レナはレナなりの(豹変した時特有の)思考で、圭一を救おうとしていた?
  6. 圭一がレナから逃げ、自室で目覚めるのは、落ち着けばもしかしたら・・・という期待の現れ?
  7. 魅音とレナが打とうとしていた注射は、唯の鎮静剤・或いは睡眠薬
  8. 「富竹と同じ目に〜」という件は、睡眠薬で眠ってもらうと同義?
  9. 監督について来た男達は、圭一が暴れだした時の取り押え役?
  10. 圭一の最期は、妄想と心身喪失によるもの?

 
何か思いっきり「?」ばっかりついてますが。
結局、この程度しか推理できてません・・・というか、情報量が多すぎてニントモカントモ。
疲れた・・・この続きは(あるなら)また今度。